【第二部】弾 vs. 個性派エンジニア ─サバイバル討論

  自己紹介を。
山崎  第一部は高尚というか真面目というか。第一部はフォーマル、第二部はカジュアルという感じで。プログラマは 5 年で、サーバエンジニアのほうが長い。トラブル対応のほうが楽しい。
高井  今 30 歳。ウェブ系の開発をやってて、RubyJava を細々やってます。
閑歳  ちっちゃいベンチャーで働いてます。出版社に 3 年いました。ウェブサービスを作るのが好きで、友人に誘われてこの業界へ。ディレクションから開発に移ってきた。変わった経歴が参考になればと思います。
井上  ミクシィから来ました。広島出身、1985 年生まれの 23 歳、去年新卒でミクシィへ。津山高専出身。未踏ユースを受けて、そのご縁でミクシィへ。ハードとソフトの融合なども好きで、萌えるコーヒーメーカーとか。
米林  コンピュータ業界の勉強をしてこの業界に入ったのではなく、別業界から来る人にメッセージを送れたら。
小飼  ぐぐるWikipedia を見て。目の前にあるものには何でも興味を持っちゃう。
  最初のテーマは「エンジニアのスキルとは」。
井上  面白いと思うのは、自分でプロモーションするエンジニア。面白いなと思うものを勉強会でエンターテインメントとして伝えるエンジニア。これから求められていると思う。
小飼  えがいひと?
井上  えがいのはどうかと思いますが……。
高井  売名行為も重要だと思う。アウトプットだから。
山崎  ポリシーは人それぞれでいい。発言力、影響力は、ないよりあったほうがいい。自分の正しいことをやるためにはそれなりの力はあったほうがいい。交渉力、コミュニケーション力があったほうが信念を守りやすい。
井上  面白いものは誰かに伝わってこそ。
  自分で作ったことを見せるときに気にしていることは。
閑歳  完成させてフツーの人に使ってもらえるレベルにはしようと思う。一般人でも楽しんでもらえるものを作れば利用者が増える。見た目重要。デザインを誉められることが多い。使い勝手とか。
井上  弾さんの言う「キモさ」(一人で作って誰にも見せずにニヤニヤ笑って自己満足)がなくてもできればいいと思う。コミュニケーションが取れるエンジニアが重要だと思う。自分で満足しているエンジニアにはあまり価値がないかな。
小飼  誰に作っているか。一般の人に使ってもらうのか、エンジニアに使ってもらうのか。僕のプロダクトは 8 割後者。
山崎  トラブルを解決して助かったと言われるのもカタルシス。日々正常に保つことに賭けている人もいるはず。
高井  会場で運用系の人? ──少ないね。ウェブ系の人──は半々くらい。
井上  学生のときは受託で書いてた。学生のほうが儲かってた(笑)。
  技術力はどうやって身につけたか。時代の変遷もあるが。勉強会は?
山崎  勉強会がたくさんあるのを先週まで知らなかった。僕はトラブルのときが一番経験値がつくと思う。トラブル時の 1 分は平時の 1 ヶ月に匹敵する。リリース後にバグが見つかったときに 10 分で解決したが、平時なら 1 日分、2 日分の線を引かれるだろう。
高井  のめり込む時間は重要。寝食忘れるって言うけど、そういうのは大事。
  勉強会のメリットは。
井上  発表を聞くのも楽しみだが、情報を整理したりネタを用意したりすることで経験値が上がる。アウトプットの場だと思う。
山崎  トラブルと通じるものがある。
小飼  勉強会に出るのを会社に差し止められてるという愚痴をブログでよく見る。
井上  ウチの会社に関しては「行け行け」と言ってくれるが、他の会社では……。
高井  逆に会社だからこそできることもある。すごく高いマシンを触れるとか、ベンダー系教育の機会とか。
閑歳  大学 1 年のときにお金がなくて、アルバイト情報誌で Perl を教える仕事に応募した。そこからプログラムを 1 週間で学んだ。乗り越えたのはそこだと思う。仕事をするようになってからは、HTML や CSS をいじるところから入った。社内のできるエンジニアのソースを読んで覚えていった。あとはトラブルのときに最初は部下の作業を見守っていたのだが、自分でやるのが早いということでやるようになった。
山崎  責任感が強い、逃げない人は身につく。
高井  マッチョになってきましたね(笑)。
閑歳  ウソでもいいから「できます」と言うと、できるようになっちゃう。
山崎  社内で「こんなんできました」と言い続けていると「この人すごいんだ」となって期待が高まる。
高井  基礎体力(プロトコルの理解など)は避けちゃダメ。
  基礎体力はどうやって身につけたか。
米林  バスケットボールですね。冗談ですが、一週間で Perl を覚えるなんて、私はムリだと思う。地頭の違い。私はバカだったので、ひたすら本を読んで手を動かした。私は継続が大事だと思う。勉強の過程をブログに書いても、1 年 2 年できる人はすくないと思う。
小飼  バスケもそれでうまくなった?
米林  16 年くらいやったけど、あんまりうまくない。
  本を読む? ネット? 人に聞く?
高井  技術評論社の本とか……(会場笑いと拍手)。でも書籍は大切。体系的だから。
山崎  本を読む能力ってある。早く基礎体力として身につけるほうがいい。
井上  自分は勉強した後に自分で書かないと気が済まない。
小飼  なぜ読むのかというと、いつでも人に聞けるとは限らないから。やたら人に聞くのは基礎体力づくりではダメ。
山崎  チュートリアルはいい人に聞ければ効率的。理解の過程を経ている人に聞けばすぐ身に入る。
高井  井上さんに言っておきたい。「人間 26 歳が一番」説があって……。
小飼  君だからじゃないのか。
  (会場の後ろのほうに座っているヨシオリ氏に) java-ja などをやられているが、勉強はどうやって。
ヨシオリ  写経する。その後は簡単なアプリを書いて、その後飽きてやめちゃう。書くのが一番。
高井  自分にあったメソッドが必要。早めに確立する。
小飼  (会場に向かって) 3 年前より頭が悪くなったと思う人? ──結構いますね。
山崎  みな目的があって技術を手段にしている。僕の場合はカタルシスを得たい。理由があって技術が必要だから、そのためにはコミュニケーション力が必要で、という風に目的があるはず。(会場に向かって)技術が目的になっている人がいると思うが、そういう人は? いい指標があれば身につくと思う。
  その逆は?
井上  オンライン家電を作りたいので勉強したとか、高専のプロコンで発表会までに用意したり。コンテスト好き。スパンを区切ってやるのは楽しい。
米林  こういう話は違和感がある。学生時代にコンピュータに興味がなかった。バスケしてればいいみたいな。みんなすごいなと思う。
山崎  大学の研究室に入って初めてパソコンを触った。
小飼  最初に触れたネットワークが TCP/IP。日本に帰ってパソコン通信をやって、金を取られてショックだった。
井上  中学生のときにパソコンがどうしても欲しくて、Aptiva E27 を買ってもらった。
米林  特殊なパターンだと思う。
井上  高専には一杯いる。(「最初に買った CD は? ジェネレーションを知るために教えて」と他のパネラーから聞かれ)広瀬香美の「ロマンスの神様」が最初に買った CD。
一同  若いなぁ。
  東京に比べて地方は情報量に差があるか。
井上  ある。地方に行くと機会が少ない。場所に縛られないウェブにしても、東京前提のシステムだと思う。
山崎  地方は勉強会の需要がないので、地域格差がある。需要があったほうが身につきやすい。
井上  地方にはウェブで食える仕事は少ない。
小飼  エンジニアは大道芸人じみたところがあるので、人がたくさんいた所でやったほうが儲かる。でもウェブ的にはできないの?
井上  場所に縛られないプラットフォームを作って、早く田舎へ引っ込みたい。
高井  テレワークは前から言われているが、フェイス to フェイスは大切。
山崎  この業界は成熟してないし、需要はいっぱいある。だからこそ、まだまだ新規参入や改革の余地がある。
井上  東京で年間数千万円のシステムを開発するのは価値があることか。
高井  それは手段に過ぎないから、良し悪しとは別。
山崎  密度は大事。それが何千万の椅子かどうかはどうでもいい。
閑歳  営業と我々がコミュニケーションを取らないといけない場合、営業が東京でエンジニアが北海道だと温度差が生じる。
小飼  今自分がやっていることで、東京にいないとできないことはない。なのになぜあんなバカ高い所に住んでいるのかと思う。
山崎  楠さんが言っていたが、東京は集まってて便利だが、一ヶ所しかないデメリットもある。
小飼  東京のバックアップがないのは気になる。危機感まで行かないけれど、いざ火がついたときに間に合うのか。
山崎  はてなの京都、カヤックの鎌倉などはいいなと思うが、普遍的にできるかというとつらい。
質問者 1  東京に別に住まなくてもいいってのは、この会場もスカイプで、とか、ビデオでコミュニケーションとかもいいと思うのだが、弊害は何か。
山崎  ノンバーバルなコミュニケーションというものがある。ライブ感は犠牲になるか。また、技術力を伸ばしたいという面ではデメリットになるかな。
米林  勉強会ならそれでもいいと思うが、日本ではアウトプットさえ出せば給料を払うというのは認められにくいのでは。
井上  技術力をつけるには東京にいることはアドバンテージ。
小飼  何事もメッカには一度は行かないと。ソフトウェアエンジニアリングにとってはそれは東京。
米林  話題を変えようかな。個人的に知りたいのは、ホントに効率の悪い勉強をしてたなって経験は? 私は C の本を写経(手書き)していた。今考えると非効率だった。
閑歳  初めに本を読むとダメなタイプ。他人のコードをカスタマイズするのから始めるのがいい。
高井  サンプルを動かしてみれば分かるかも、と思ってやってみても、やっぱり分からない。
山崎  1 個の情報に依存して突き進むと失敗する。2 個、3 個の情報から多面的に学ぶのがいい。
小飼  やらないでダメと決めつけるのがダメな勉強法。やってみてダメだったというのならいいけど。
高井  変化球を求めるのもダメ。ストレートで勝負しないと。
井上  トラブル対応が効率的なのは、学んで実践するというサイクルが短いから。
山崎  それはアドレナリンが出てるからです。
高井  朝すっきりしてるときにやるとか。
井上  これから勉強するぞと決めて、テスト勉強みたいにやるのは効率悪い。
山崎  とりあえず動くものを形にするというのはみんなに共通してるのかな。
高井  それだけだと何か足りない。本質的な部分が分からない。
山崎  人によって快感の得方は違う。動くものをとりあえず作ると気分がのってくる人が多い。
高井  メソッドを確立して、「これがスイッチ」というのを早く作る。
井上  スイッチの入れ方を知るのは大切。
  次のテーマに移りましょう。エンジニアの未来についてお聞きしたい。エンジニアとしてよかったこと、印象に残っていることは。
山崎  思い出深かったのは、データセンターの運用時、あるお客さんを他社から引き受けた。でもお客さんが前の会社に機材の代金を払っていなかった。その業者さんが 17 台中 14 台を差し押さえた。その時調べた所、3 台で運用できることが分かった。「何とかなる」という経験をすると、「あの時何とかなったんだから」という考えになる。
生き方と言うと、部下を持つことが大切。自分は自分がやりたいことをやり、それを部下に与えて、手が空いたら自分が次にやりたいことをやるというスパイラル。
高井  作っている瞬間が一番気持ちいい。世の中を見ていると、ポッカリと空いている部分がある。そこを埋めるものを作ると面白い。見つけた瞬間が楽しい。
閑歳  20 代後半になって「さてこれからどうしよう」と考えた。マネージャーになるか、エンジニアになるか悩んだ。ニート気味の時期にサービスを出して使ってもらったら、知り合いが増えた。個人で出すことによって「この人はこういう物を作りたい人なんだ」ということを認知してもらって話が進んだ。アウトプットが大事。あと、自分のサービスで本当に人が喜んでくれるのは励みになる。
井上  抜けた髪が生えたのが嬉しかった。ミクシィに入ってからストレス性の円形脱毛症になった。その後、思い直して、自発的にならないといけないと思い、オンラインコーヒーメーカー「萌香(もか)」などを作った。縛りがあると思っても、自分でそう思い込んでるだけかもしれない。
米林  よかったのは、この業界に入らなければ出会わなかった人と出会えたこと。ブログなどで知見を広げられる。
小飼  逆説的だが、周囲がロクでもなかったこと。実家が丸焼けになったのがこの業界に入ったきっかけ。実家を立て直しながらなので、フルタイムでどこかへ就職することはできなかった。自分が何とかできると思ったのは、自分しか動かせる駒がなかったから。最後に残っているのは自分だけ。早めにそういう悪運に恵まれておくのはいいかな。悪運を幸運に変えられるのは 26 歳くらいまでか。30 代になった今では無理だと自分でも思う。
山崎  こういうエンジニアだとダメだってのを聞いてみたい。僕は、すぐにできない理由を考えるエンジニアだと思う。
高井  「○○やりたいんですよね〜」。やればいいじゃん、タダなんだし。
閑歳  エンジニア以外の人の気持ちになってできる人じゃないとキツいかな。技術力は大事だけど。
井上  山崎さんや高井さんに同意。「いつかはやりたい」は「絶対やらない」。
米林  エンジニアじゃない人を否定的に捉える人。営業や管理職に対していい当たり方をしない人。技術を分からない人に対して上から目線になる人。
小飼  第一部で吉岡さんが「失敗しない人が出世する」って言っていた。失敗した人を出世させない人は長い目で見てダメだと思う。
  失敗談を聞きたい。
小飼  次の失敗のほうがもっとすごい失敗にしたいと思っているので、失敗談と言われると生まれたこと、生き残ったこと。そういう意味で、100% 失敗とみなされる行為をしたことがありません。
米林  後輩に rsync を教えてて、「何だお前、rsync も知らないのか」と言いながらやって見せたら、間違えて消しちゃった(笑)。
井上  最初のコンテストで賞を取って天狗になり、次の回に大失敗してチームはバラバラ、賞ももらえず。学生のコンテストだから失うものはなかったが勉強になった。
閑歳  サービスを作ったときに、最初に作った人は思い入れがある。でも子離れする時期が来る。次の人にうまく伝えて同じ気持ちで育ててほしいが、難しい。
高井  失敗って封印しているので、夜中に「あ〜」って叫んだりするけど、あまり失敗とは考えない。マズかったかなと思うのは、就職活動をちゃんとしなかったこと、社会人のときにもう少し大きい会社に入ったほうが安定してよかったかな、それと給料の話を若いうちにしてればよかったかな。
山崎  ソネットDNS サーバのメンテをしてるとき、エンジニアがちゃんとコミットしてなくて Emacs のバックアップファイルがたくさんあった。(ファイル名末尾の) ~ の前にスペースを入れてしまい、バックアップを破壊した。「init 6」と打つ所を「init 0」と打ったり。
後は自分の失敗ではないが、電話であるラックを初期化してくれと指示したら、隣のラックを初期化されてしまった。そこはいかに復旧させるか、バレる範囲を狭くするかですよ(会場笑い)。それで経験値が身につく。
  Ustream に「給料の話を聞いてみたい」というのがあったが。
山崎  評価方法は専門技能 10、責任感 10、向上心 6〜7、交渉能力 3〜4 の 30 点満点でつける。あとはランキングをつける。それを週一でやる。そのスコアは実務フローに密接に結びついている(6 以下は指示を出せないとか)。自分は 28 歳くらいまではお金のことを気にしなかったが、管理職になってから気になるようになった。
米林  お金のことを考えられる人を評価したい。「いいコードを書いているのに給料が上がらない」には2 つ問題がある。交渉力の問題、それに自分のコードの価値について理解が足りない。10 万でバッチを作る仕事に半年かけていいコードを書いても本末転倒。
閑歳  前の会社では上司が数字の部分を言ってくれる人だった。いくら稼がないと赤字です、というのを週単位で教えてくれた。それを聞いて「自分はちゃんと稼がなきゃ」と思うようになった。そういう情報をオープンにしたほうがいい。
小飼  エンジニアはアピールしにくい。本来作る仕事であって、営業が売る仕事だろうと。作るのは一人でもできるが、働くのは一人ではできない。人がいるからお金に価値がある。お金のことを考えるのは人のことを考えるということ。そういう風にお金を捉えてほしい。
井上  これから社会に出る人、若手の人に、この金銭感覚は身につけておけというのがあれば。
高井  家族、生活の計画を。住宅ローンは年収の 5 倍くらい借りられる。そうやって考えて行くと、「このくらいもらえないと東京に住めないんだ」と分かる。いきなり経営のお金を考える前に、家族のことから積み上げて行くのもあり。
山崎  営業を最初にやったほうがいい。2 年くらい、「営業が見えた!」ってなるまで。営業→技術は難しいが、営業の経験はプラスになる。選択肢がある人は、一度やったら技術に行くのは難しいかもというリスクを考えた上で、経験してほしい。
小飼  その経験は、会社に対してバーゲニングパワーがつく。社長より強いのは客。
高井  お客さんとのリレーションも大事。
質問者 2  皆ポジティブで明るくていいなと思う。それでも人生には波があり、落ちることもある。そういうときに盛り返す方法としてこういうことをやってるよ、というのがあれば教えてほしい。
小飼  どこまで落ちても、というゲームにしちゃう。
米林  友達を大切に。落ち込んだら友達を誘う。自分をよく理解してくれる誰かを見つける。
井上  同期は強い。職場の同僚とは違い、同じ志を持って集まっている人は大切。会社を変わっても重要。
小飼  うらやましい。友達ができるようになったのは大人になってから。妻は同窓会に行くが、自分には同窓というのが分からんのですよ。
閑歳  3 年に一度くらい落ちることがある。法則になっているくらい。そういうときは長期戦で、考え続ける。ある日突然晴れるときがあるので、それを待ち続ける。それを乗り越えると変わる。
高井  道に迷ったときは分かる所まで戻ればいい。今まで自分が何を積み上げてきたのかを振り返られるので、自信を取り戻せる。
山崎  すごく寝るとか、すごく食べるとか、女性と食事に行くとか。それを意識してやる。それでもダメなときは、きっとこの先いいことがあるよって思う。考えても何も変わらないよ、気にしない。
小飼  悪くなるときは痛いくらい悪くなってほしい。最悪なのは「痒い」とき。
質問者 3  エンジニアとしてやっていくためのモチベーション、エピソードがあれば。
山崎  カタルシスというか、人に喜ばれるのが一番。個人的には技術への欲求はあまりない。営業や仲間、お客さんに喜ばれるのが気持ちいい。
高井  いい子にならなくていいと思う。サラリーマンは座っているだけ給料がもらえるので、本当にダメなときはわがままになってもいい。まずは自分のことを考えて乗り越える。ゆるさをもったほうがいい。
山崎  こういうときはエンジニア冥利に尽きる、ってのは?
小飼  僕……。
山崎  弾さんじゃなくて(会場笑い)。
高井  ひらめきですね、ピカーンって。
閑歳  サービスを作った後に、自分が知らない人が使ってくれて、その人の人生が変わるくらい便利なものを作れたらいいな、ってのがモチベーション。作る前の何もないときのモチベーションは、絵を描いてイメトレ。
井上  第三者に自分が作ったものが「面白い」と言われたとき。モノを作ってプレゼンしてバカウケすると嬉しい。
米林  質問者は自分のモチベーションのゴールが見えている。僕はお客さんに名指しで誉められるというか、「米林という人に頼んでよかった」と言われると快感。
小飼  逆に問いたいのだが、人に誉められないとモチベーションは保てない?
米林  下がりはしない。
山崎  あれば 10 倍ボーナスくらいにはなる。
  最後にまとめの一言をホワイトボードに。エンジニアの未来というテーマなので、この先のエンジニアの未来はどう思うかまとめてください。
高井  (ホワイトボードに「好きこそものの上手なれ」)好きじゃないとダメかな。やっぱり好きになる。好きな所を見つける。そうするとうまくできるようになる。
山崎  (ホワイトボードに「一回きりだし必死に頑張りましょう。そうしたら何とかなるし」)ダラダラやってもしょうがない。必死にやってもうまくいくとは限らないけど、うまくいくときは必死にやったとき。もっと日本を明るくしようよ。
閑歳  (ホワイトボードに「先が見えないことを楽しむ」)28 くらいになってくると、自分のキャリアパスを考えるが、いくら考えても分からない、ムダだと思った。分からないんだったら、自分の好きなことをやるのが一番。好きなことをやっていればそういう人に出会えたりする。
井上  (ホワイトボードに「自重しろwwwを目指す」)自重は誉め言葉だと思う。予想外のことをやって結果を出すのはイノベーション。やらないのはもったいない。「自重しろw」と言われるくらいにやってほしい。
米林  (ホワイトボードに「愛札」)体育会系なので挨拶は大事だと思っている。「愛」は恋人や家族もエンジニアは大事にしてほしい。「札」はお金。自分がやっていることをどれだけの価値があるか、エンジニアにも理解してほしい。あとは「挨拶」。おはようございます、と言われても無視してコードを書いていてはいけない。
小飼  (ホワイトボードに「Make & Make Sense」)こういうイベントをやると「好き」という言葉がキーワードに出るが、嫌いであってもやってなお嫌いなものはないと思う。まずはやってみる。