長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) 第 1 回勉強会 雑感

3 月 13 日の土曜日、長野市で「長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) 第 1 回勉強会」が開催されました。この会の発足の経緯から当日の様子、反省点などを綴ります。勉強会を開催している方、これからやってみようと考えている方の参考になれば幸いです。

なお、当日の議事録はひとつ前のエントリーにて公開されています。


NSEG 発足の経緯

NSEG (長野ソフトウェア技術者グループ)発足の経緯については、発起人の一人である id:you_got (岡本豊)さんがブログに「NSEG(長野ソフトウェア技術者グループ) 発足の経緯」というエントリーをまとめてくれているので、興味のある方はご覧ください。簡単にまとめると、以下のような感じです。

  1. 長野にも IT 勉強会を作りたい!
  2. id:you_got さんが、長野高専の先輩である id:earth2001y (大日向大地)さんと @shimuyan (小林思無邪(しむや))さんに声を掛けた
  3. 三人がそれぞれの知り合いに声を掛け、「第 0 回」としてコンセプト会議を開催し、第 1 回の開催について決定した

第 0 回の議事録は、私が「長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) コンセプト会議 私的不完全議事録」というエントリーにして本ブログに公開しています。この議事録にもあるとおり、「長野ソフトウェア技術者グループ」という名称や NSEG (エヌセグ)という略称はこの会議の終盤に決まったものです。

高専カンファレンスに倣い、NSEG として特定の主催者を設定しない方針に決めました。第 1 回の主催者には @shimuyan さんと碓氷さん、それに私の 3 人が立候補しました。

第 0 回の会議終了後、その足で第 1 回の会議室を予約しました。場所は第 0 回と同じ「もんぜんぷら座」。601 号室を 3 時間予約しました。プロジェクター込みで 1,200 円。都会の人にとってはうらやましすぎる価格設定でしょう。ただしネットワーク環境はありません。


第 1 回開催まで

打ち合わせは Google Docsスプレッドシートを使い、いつまでに何を誰がやるかを管理しました。普段から「Excel で文書を書くな」と言っている私ですが、こういう場面では Google Docsスプレッドシートは便利です。

告知と参加者募集は「告知's (こくちーず)」を利用しました。IT 系のイベントや勉強会には「ATND (アテンド)」がよく利用されるようですが、ATND は参加申し込みに OpenID が必要なので、門戸を広げる意味で告知's を選びました。後述しますが、この判断は結果的によかったようです。

ただし、告知's を使う上でひとつ困ったことがありました。単に聴講するだけの参加者と LT (Long Talk)の発表者とでは、申込時に収集するべき情報が異なりますが、その両方にうまく対応する方法を見つけられなかったのです。仕方がないので、

  • NSEG 第 1 回勉強会」というイベントと、「NSEG 第 1 回勉強会 (発表者用)」というイベントの 2 つを作成
  • 参加希望者は全員「NSEG 第 1 回勉強会」に参加登録していただく
  • その上で、LT 発表希望者は「NSEG 第 1 回勉強会 (発表者用)」にも登録していただく

という形式を取らざるを得ず、LT 発表者には二度手間を強いてしまいました。次回以降、ウマいやり方があれば改善したいところです。

当日会場で使う吊り下げ名札を小林さんに用意していただき、私は中の台紙を印刷して持って行きました。


当日の様子 (勉強会本体編)

開始 20 分前に会場入りすると、すでに数名の方が到着していました。参加者名簿を片手に受け付けを開始。会場費や備品代としての負担金 100 円と引き替えに名札をお渡しし、余白に自己紹介を書いていただきました。名札を首からかけると、こんな感じになります(写真はとみたまさひろさんです。モデルを快諾してくださり、ありがとうございました)。

今回、当初は 10 人分の LT 発表枠を用意するつもりでした。もし 10 人の枠が全部埋まったら、発表の後の質疑応答は一人 3 分にしないと会場の利用時間をオーバーしてしまうことになりましたが、最終的には発表者は 6 人で、質疑応答の時間も余裕を持ってとることができたのは幸いでした。当日は私が発表を始めたとたんに OpenOffice.org Impress が異常終了して起動し直したり、とみたさんの発表開始直後に Rabbit の表示がおかしくなって Ubuntu ごと再起動したりと軽いハプニングが続いたこともあり、時間に余裕を見ておくことは絶対に必要だと実感した次第です。

当日の参加者数は飛び入り参加 1 名を含めた 25 名でした。うち第 0 回の出席者は 10 人ほどでしたので、なかなかよい集客だったと思います。ツイッターやブログでの告知のみならず、内輪のメーリングリストで告知してくれた人、会社の朝礼時に告知してくれた人もいたようです。

参加者層も幅広く、女子高生から 50 代の経営者層までいろいろな人が来てくれました。Ustream 配信について学ぼうと大日向さんの発表を聞きに来てくれた、非 IT 系の参加者もいました。

会場のテーブルは向かい合わせの 4 人掛け(写真)でした。最初は使いにくい部屋だと思いましたが、この配置のおかげで隣近所の距離感が縮まり、休憩時間に名刺交換や挨拶などを皆さん活発にしていました。これは嬉しい誤算でした。

プロジェクターを使う都合上、会場の電気を消しましたが、部屋の仕切りの上部が空いていて廊下からの照明が入り、真っ暗というほど暗くはなりませんでした。ノートを取ってくれた参加者にもそれほど不便はなかったようです。発表は随所に笑いあり、感嘆の声ありで、居眠りをしている人がいなかったのもよかった。

発表者が最初の計画よりも少なめだったこともあり、会場の利用時間が 19 時までのところを 18 時 40 分に終了しました。会場の後片付けの間も皆さん積極的にお話をされていて、その間に次回の主催者である根本さんと私で次回の会議室予約を済ませました。次回は 50 人の部屋です。会場が埋まるくらいたくさんの人を集めたい!


当日の様子 (懇親会編)

懇親会は、勉強会会場から歩いて 10 分ほどの「たのしや哲(てつ)」にて開催しました。

飲み放題のない店でしたが、いい酒が飲める上に時間制限もなくゆっくりできたので、皆さん満足してくれていたようです。私はキリンのブラウマイスターばかり飲んでいました。

勉強会会場で首からかけてもらった名札は、懇親会会場でもつけていてもらいました(先のとみたさんの写真は懇親会会場で撮らせていただいたものです)。初対面同士でも相手の名前と自己紹介が見えるのは想像以上に便利でした。次回以降もこの方式はぜひ継続してほしいですね。

店に行ってから知ったのですが、この店は「居酒屋甲子園 2009」で 4 位になったとか。驚いたので、店員さんに「あの居酒屋甲子園で 4 位とはすごいですね」と水を向けると、「別に何か準備をしていったわけでもなく、『出てみようか』くらいの感じで出てみたら 4 位だった」と聞き、二度びっくり。

下の写真はデザートの「炎のプリン」です。おいしかった。

ただ、学生さんに 5,500 円はちょっと負担が大きかったかな。不満一つ言わずに支払ってくれた若い皆さんに感謝。


その他雑感

IT 勉強会に女子高生!?

今回の勉強会には女子高生が 2 人来てくれたことが話題になっていました。ツイッター上でも、「IT 勉強会に女子高生なんて見たことがない」という声が IT 勉強会の経験豊富な人からも聞かれました。

いきさつはこうです。「長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) コンセプト会議 私的不完全議事録」公開のお知らせをツイッターで私がつぶやいたところ、私のフォロワーさんで長野市内に住む主婦の方(以下「A さん」)が連絡をくれました。曰く、この勉強会で高校生向けの内容があれば嬉しい。IT 系の仕事は幅が広いけれど、学校生活で知ることのできる分野は限られている。広い視野を持てるよう、彼らにいろいろな経験をさせてあげたい──と。A さんには、工業高校の情報系の学科で学ぶ娘さんがいらっしゃいます。

そこで、娘さんに「行ってみたい」と思ってもらえるように、私の LT は学生向け(特に高校生向け)の内容にすることに決めました。そのことも含めて A さんから娘さんにこの勉強会の話をしてもらったところ、お友達と一緒に参加申し込みをしてくれました。

当日の LT は高校生には難しい内容もあったはずですが、二人とも熱心にノートを取っていていました。別の参加者は「その姿に感心した」と言っていたほどです。

後日、A さんからお礼のメールが届きました。それによると、

  • 勉強会は「とても楽しかった」と言っていた
  • 帰りの車の中で、ずっと勉強会の話をしていた
  • 高専の人をはじめ、いろいろな人と話せてよかったとのこと
  • 私の LT にあった「楽しそうに仕事をしている人の話をたくさん聞くとよい」という部分が一番印象に残ったらしい
  • 次回はほかの友達も誘って参加したいと言っている

とのことです。

ちなみに、当日は「女子高生を連れてきたのはすのさんなんですって?」といろいろな人から聞かれました。そのたびに「実は、私のツイッターのフォロワーさんに人妻がいて……」と切り出し、「人妻」という言葉で笑いを取っていた私です((当の人妻から「『女子高生』という単語は(この雑感に)あるが『人妻』がない」と突っ込まれたので、この段落を追記しました :-)))。


とみたまさひろさんが来てくれた!

記念すべき第 1 回に、長野県在住のとみたまさひろさん(id:tmtms)が LT をしてくれたことも今回話題になりました。とみたさんが LT で使ったスライドははてなブックマークで 200 以上のブックマークを集めホッテントリ入りするほどの人気になりました。

懇親会の席で、とみたさんがこの勉強会を知った経緯を教えてもらいました。

  1. 2/18・19 に東京・目黒雅叙園で開催された「デブサミ 2010」について書かれたはてなダイアリーを見ていた
  2. 関連エントリーとして、私が書いた「Developers Summit 2010 私的不完全議事録」がリンクされていたのでクリックしてみた (初日二日目)
  3. 画面右にある「最新タイトル」の記事一覧に「長野ソフトウェア技術者グループ(NSEG) コンセプト会議 私的不完全議事録」を見つけ、NSEG 勉強会の存在を初めて知った

さらに、私が NSEG 勉強会第 0 回(コンセプト会議)に出た経緯は──。

  1. ツイッターで、長野県の飲み会や自宅飲みの際に使う「#naganomi」というハッシュタグを半分冗談で提唱した
  2. そのハッシュタグが広まってしまった
  3. 今年の 1 月に「信州全域 naganomi 祭り」なるイベントが開かれ、私は長野(市)会場へ出掛けた
  4. そこで初めて出会った you_got さんに IT 勉強会の話を持ちかけられ、以前から興味があったので「やってみたい」とお返事した
  5. you_got さんから第 0 回へのお誘いをいただいた
  6. いつもの癖で議事録を取り、ブログに載せた

ということで、本当に細い糸と細い糸が繋がって、とみたさんが NSEG 勉強会を見つけてくれたのでした。「あのエントリー(コンセプト会議議事録)がなければ、この勉強会は知らないままだった」ととみたさんはおっしゃっていました。ブログを書くこと、とりわけ私にとっては「私的不完全議事録」を書くことに意味があるのだと実感し、武者震いした夜でした。

今後も本ブログ並びに「私的不完全議事録」シリーズを、どうぞよろしくお願いします。

当日の反省点

長くなってきたので、箇条書きで済ませます。

  • 告知's で開催場所を「もんぜんぷら座 会議室 601」としか書かなかったため、場所が分かりづらかったとのご指摘を数名の方からいただいた。おまけに、申込時に会の名前を「勉強会」とだけ申請したため、会議室予約状況に 3 つの「勉強会」が並ぶ結果となり、分かりにくさに拍車を掛けてしまった。次回は「NSEG 第 2 回勉強会」で申請してあります。また、告知's には「もんぜんぷら座 3 階 会議室 304」と表示するようにし、部屋の入り口には NSEG 勉強会会場だと分かるような何かを貼る予定です。
  • LT 発表の練習が足りず、自信のないまま会場入りしてしまったせいで緊張してしまい、開会直後はしどろもどろの司会となってしまった。お恥ずかしい限りです。
  • Ustream の録画を見て気づいたが、会場からの質問の声が Ustream では聞き取りづらかった。会場用のマイクも必要か。
  • アンケートを作成するのを忘れてしまった(そこまで気が回らなかった)。後日、申込時にいただいたメールアドレス宛に、アンケートのお願いをお送りします。参加者の皆さん、ご協力をよろしくお願いします。

謝辞

今回の主催者である小林思無邪さんと碓氷さん、長野で IT 勉強会を作ろうと立ち上がった岡本さん、大日向さん、小林思無邪さん、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。大日向さんには Ustream 配信もしていただき、大変感謝しています。

そして、今回の勉強会を告知してくれた方、当日小雨そぼ降る中を出掛けてくれた皆さん、ありがとうございました。

今回の勉強会の準備に当たっては、今月 6 日に青山で開かれた「電設部 IT 勉強会 #3」の高見知英さん(id:TakamiChie)の発表「勉強会を開こう」を大いに参考にさせていただきました。有意義な発表をありがとうございました。

私は次回第 2 回も主催者側として動きます。よろしくお願いします。

最後に

ツイッター上で今回の勉強会の感想はよく目にするのですが、17 日現在、この勉強会について書かれたブログが見当たりません。私一人で興奮しているみたいでこっ恥ずかしいので、ぜひ皆さんもエントリーを上げてください。タグは「nseg」ですよ! ブログを書くまでが勉強会ですよ!

……と言った矢先にひとつ公開されたようです。今後も見つけ次第、下のリストに追加していきます。