「がんばれ! 講座」第六講座「時間と習慣を味方にする」 私的不完全議事録
6 月 10 日(時の記念日)、名古屋の経営コンサルタントである武沢信行さん(有限会社がんばれ社長 代表取締役社長)によるセミナー「がんばれ! 講座」第六講座「時間と習慣を味方にする」が、東京・日本橋で開催されました。
いつものようにノートパソコンでメモを取りながら受講してきましたので、備忘録として公開します。
経営とは
- 最近の経営者は利益意識が淡泊
- 理念・方針・計画を一冊のバインダーにまとめたものを私は「経営マニフェスト」と呼んでいる
- これらを作る準備として必要なものが「Wish List」
- 社長だけでなく社員も必要
- 社長と社員の Wish の接点が多ければ多いほど社員は一所懸命になる
- オープンにして差し支えなければ、全員の Wish List を共有するといい
経営指針書
「がんばれニッポン! 株式会社」という架空の会社の第 36 期経営指針書が資料として配付され、これをもとに武沢さんのお話が進められました。
- 手元のものはちょっと書式が古い
- これからの若い世代を動かすのは画像や動画
- 私は iPad で経営計画書のイメージを作りつつあるので、あとでご覧に入れる
- 欲張ってページ数が増えすぎないように
- 古田土公認会計士・税理士事務所の例:
- 経営計画書は 200 ページ× 2 冊、各 11,500 円で売られている
- 1 月に行われる経営計画発表会は 1 万円で参加でき、参加すると経営計画書がもらえる
- そうやってオープンにした結果、顧問先が増え続けている
- 株式会社山形ハーネスの例:
- 経営計画書を作って経営計画発表会をした
- 1 年後、何も変わっていなかった
- 2 年目は銀行と、東京の主力取引先 2 社を呼んで、背水の陣を敷いて発表会をやった
- 3 年目は得意先が来てくれなかった→口説いて呼んだ
- 4 年目に大赤字を出し、自分は経営者として失格だと思った
- 委員会制度を取り入れ、みんなの力を借りて 8 つの方針を 8 つの委員会にした(環境美化委員長など)
- 委員会を月に 1 回開くようにしたら、ぐーんと成長した
- 経営計画発表会は委員会を中心にした
- 第 1 回の経営計画発表会開催から 7〜8 年経過し、当時の 20 倍の業績。経営品質賞も取り、お手本のような会社に
- 最初はさらし者になるが、変わらなければならない点が露呈する。なおも続けていくと、必ず変わる
- 作るのは簡単だが、どこかでやめる会社が多い。ぜひ決算期に合わせて計画を発表し続けてほしい
会場からの質問
- 家内制手工業みたいな小規模な会社でもやるべきか?
→自分のためにやったほうがいい。発表する相手ありきではない。自分に自分の考えを確認させる、自分のテンションをマックスにするために作るのが経営マニフェストである。自分に売り込む前に社員に売り込むと、うまくいかない
『丸山敏雄伝』
配布されたレジュメにある「朝起きは、すべての基本 倫理法人会創始者の『丸山敏雄伝』より」の読み合わせをしながらセミナーは進みます。
- 副題: 「幸せになる法則を発見した人」
- 朝起きが人生再建の鍵
- 行入(こうにゅう)と理入(りにゅう)の人がいる。理屈から入る人が理入、行動から入る人が行入
- 始業の 3 時間前に起きるのを「早起き」という。4 時間以上前に起きるのを「超早起き」という。できれば超早起きを目指そう
- 超早起きをすると、一仕事できる。クリエイティブ・ルーチン、創造的習慣。意味のあること、自分を耕すものに使う
- 企業の目標・目的
- 個人の目標・目的
- 御殿場に「丸山敏雄記念館」がある
中村天風
レジュメの「日常の心得(中村天風)」の読み合わせをしながら。
- 朝起きは朝の問題というより、むしろ夜の問題。寝際に失敗すると目覚めに失敗する
- 潜在意識(首から下)を味方に付ける。そのためには寝際と目覚め直後が効果的だと天風氏は言う
- 東大新聞部の調査によると、世の中のニュースの 85% は暗いニュース
- 朝から暗いニュースをチェックする必要はない。その代わり、積極的で明るく、可能性に満ちたものを仕入れる
- 自分が作った年間・月間計画を読む。それを読んでも元気が出なければ、計画を作り直そう
- 私はマンダラ手帳の会社年間・月間目標、個人年間・月間目標の 4 ページを読んでいる
- これらを読んでも「よ〜し!」と気分が高揚してこなければ、作り直し
仕事術
- 仕事は ToDo と GTD (Getting Things Done、仕事を成し遂げる技術)
- GTD……頭の中にあるさまざまな想いを、いったん in-box という所に放り込む
- 全部箇条書きにする
- 最初は数時間かかる
- 不安なこと、やりたい夢、野望……
- 土日を使って 2 日くらい掛けてやる
- これらを次の 4 種類に分類する
- To-Do
- プロジェクト (To-Do のかたまり。プロジェクトをクリックしたらいくつかの To-Do が出てくるべき)
- 資料
- Wish List (GTD 考案者デビッド・アレンの分類にはない、武沢流)
- Wish List の中でも大切なものはプロジェクト化しなければならない
- ひとつひとつのプロジェクトには、夢のようなゴールの姿がある
- 関わるみんなにとって喜ばしい姿
- 仕事としてやっていくうちにだんだん面倒くさくなってくる。それは、夢のようなゴールの姿を忘れているから
Wish List
- 『The Wish List』(Brabara Ann Kipfer)──14,000 の Wish のうち、約 6,000 点が書かれている
- 向井千秋さんがこれを見つけ、翻訳させてもらったものが『4001 の願い』(絶版)
- この本で言っているのは、Wish List を作る際になるべく工夫した方がいいということ。「イタリアに行きたい」ではなく「イタリアで最高のナポリピザを食べたい」など
- 動機を書くとよい
- 年に一度は「Wish List 2011」のようなものを作る
- マスター Wish List──どんどん増えていくもの
- 年次 Wish List──その年にやりたいものをマスター Wish List からコピペ
- これを社員にもやってもらう
- 1 枚だけ会社提出用として作ってもらう。なるべく建設的な提案や明るい夢を書く
- Wish List は他人に見せないのが大原則。でも人に見せたいものだけ抜き出して公開する
- 矛盾するものがあってもよい
- マンダラでグルーピング
- 社員研修でやらせるといい。テンションが違ってくる
月間計画作成
参加者に「マンダラチャート帳 日間実践計画」が配布され、ここに月間計画を記入するセッション。もしこの議事録を読んで同じことをやってみようと思ったら、「日間実践計画」ではなく「フリー型」のほうがよいと思います。
- 最初のページには「2011 個人」と書く。ここは今年の個人目標を書くページとする
- 次のページには「2011 仕事」と書く。今年の仕事目標をこのページに書く
- その次のページは「2011 個人 [修正]」、次は「2011 仕事 [修正]」として、必要に応じて追記する
- その次のページからは月間目標。まずは「2011.6 個人」、次のページに「2011.6 仕事」と書く
- 個人のページには、見出しに上図の 8 項目(健康・仕事・経済・家庭・社会・人格・学習・遊び)を書く
- 仕事のページには、自分が大切だと思う項目を 8 つ選んで書く。
- 項目は何でもいいが、できるだけ毎月固定する
- 今できていないことを書く。背伸びする
- 今は日が最も長い時期なので、早起きしやすい。理想は 4 時起きで、日の出前に起きる
- 具体的な数字を書けるものについては、できるだけ数字を書く
武沢流
- 仕事のページに書くのは以下の 8 項目:
- A: 広告
- B: 通販
- C: セミナー
- D: コンサル
- E: Web
- F: 戦略業務
- G: マネジメント(内部管理)
- H: 業績・財務
(部門別売上・粗利、合計売上・粗利・利益を記入する欄)
- 毎月 20 日頃に翌月分を考え始める
- 毎月最終土曜日の 9:00〜11:00 はマンスリーレビュー
- 毎週土曜日に 1 時間かけてウィークリーレビューを行っている。最終土曜日はマンスリーレビューと合わせて 3 時間かける